finland
lyhennys
略語

私がもっている辞書には,略語が出ていません.略語でも,固有名詞の頭文字を並べた言葉(例えばVTT = Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus = 国立技術研究センターや,TPO = Tampereen Puhelinosuuskunta = タンペレ市電話協同組合)にはさほど困らなかったのですが,一般名詞を略した言葉がわからなくて困りました.いくつか,そんな例をあげてみます.

mk = markka
フィンランドの(以前の)お金の単位,マルッカです.まあこれはすぐわかったので,あまり困りませんでした.国際的にはFIMという略号を使いますが,国内ではmkを使います.また,日本の円と同じように,mkは数字の後に書きます.例えば10マルッカは 10mk と書いて,kymmenen markkaaと発音します(数詞で修飾される名詞は分格という形になります).これを,10.- と書くこともあります.
 マルッカの100分の1がpenniです.ペンニの桁がつく場合は,例えば10マルッカ50ペンニを 10, 50 あるいは 1050 と書きます.スーパーの値札やチラシでは後の書き方が多いようです.中には, 999 という値段もありましたが,当時フィンランドの最小額貨幣は10ペンニだったので(昔は5ペンニ硬貨があったそうです),これは結局10マルッカと同じことです.ただしスーパーではレジを打つ時には1ペンニまで計算して,合計を10ペンニで切り上げるようですから,この品物を10個買えば100マルッカではなく99マルッカ90ペンニということになります.
 
kpl = kappale
1個,2個の「個」のことです.例えば, 10.- / kpl と書くと「1個10マルッカ」で, 3 kpl 10.- と書くと「3個で10マルッカ」です.なお,語学の教科書などで"Lesson 1"というときのlessonのこともkappaleといいます.
 
alk = alkaen
値段で「〜より」というときの言い方です.例えば, 10.- alk. と書くと,「10マルッカより」という意味で,いくつかの種類の品物があるときに,一番安いのが10マルッカだということになります.
 
rkl / tlk = ruokalusikka / teelusikka
ruokaは食事,teeはお茶,lusikkaはスプーンで,いわゆる「大さじ」「小さじ」です.料理の本を見るとしょっちゅう出てきます.意味がわかるまで,私はrklというのは「rkリットル」だと思っていて,rkとはどのくらいの大きさなのかとずっと悩んでいました.
 
alv = arvonlisävero
arvoは価値,lisäは付加,veroは税金で,いわゆる「消費税」のことです.1994年当時,フィンランドでは消費税率は22%でした.いくつか例外があり,書籍は12%,鉄道の切符は6%,他にも例外があるようでした.
 フィンランドでは値札はすべて内税ですが,レシートに本体価格と消費税額を表示することが義務づけられているので,レシートには必ずこのalvの文字が見られます.また,免税業者や見なし課税はなく,しかも業者は毎月消費税を収めなければいけないので,益税というおかしなものはないそうです.