日本語では「リンカーンは第何代大統領でしょうか?」という言い方を普通にしますが,英語には「第何」という言い方がなく,こういう言い方ができないそうです.英語だけではなく,たいがいのヨーロッパ語もそうらしいです.
ところが,フィンランド語ではこれに相当するmoneskoという疑問詞があります.上の例文も,フィンランド語では
Monesko presidentti Lincoln on? と普通に言えます.
フィンランド語では日付は序数で表すので,「何日?」を表すのにはこのmoneskoを使います.例えば
Monesko päivä tänään on? (「今日は何日ですか?」)
となります.
フィンランド語の序数は,ちょっと変わった言い方をします.
- 「第1」(ensinmainen)と「第2」(toinen)は,数詞とは別の言葉で,ensinmainenは本来「初めの」という意味,toinenは本来「別の,もう一方の」という意味です.
- 合成数詞の序数は,各要素を全部序数に変えた形になります.例えば:
- kolme「3」→ kolmas「第3」
- kymmenen「10」→ kymmenes「第10」
- kolmekymmentäkolme「33」→ kolmaskymmeneskolmas「第33」
のようになります.
ところで,ここでは疑問詞moneskoをとりあげましたが,フィンランド語では疑問詞がかなり自由に作られるという特徴があります.これについては,「形容詞」の項をご参照ください.また,フィンランド語の数詞にまつわる話については,「数詞」の項もご参照いただければ幸いです.